安保

2015年5月 5日 (火)

憲法タウンミーティング① - 自衛権について

連休まっただ中の5月3日の夜、想定を超える400人近くの方がグランシップに集まりました。


それは県内の各党代表者が一同に介し、憲法についてのタウンミーティングが開かれた為です。


150502


自民党は政調副会長の塩谷氏、民主党は政調会長の細野氏、共産党は県連代表の島津氏、そして私というメンバーです。


テーマは3つ、以下が学生から提示されました。


1. 自衛権の定義って?日本の取る範囲は?


2. 日本の国民負担は上げるべきでは?消費税をどう考える?


3. 同一労働同一賃金って? 法律で規定すべき?


今回は1についての私の回答を紹介します。


◯ 自衛権の定義は「自国の存立と国民の生命・財産を守るための武力行使」を基本的概念とし、具体的な定義や範囲は時代や環境によって見なおしていく必要あり。


◯ その基本的概念に立てば、自国への攻撃が実際あったかどうかに囚われずに危機に対処できるとするのが憲法の理念内
(憲法における「日本国民の平和的生存権や生命、自由及び幸福の追求権」に基づき、かつ2003年の武力攻撃事態法でも攻撃前の対処は可能としている)


◯ 政府の新三要件はその文言と内容が担保されれば理解は出来るが、心配は残る


◯ それは自国への攻撃もなく、自国の存立と関わらない場合も(要請に従って)他者を守るという国際的に認められた自衛権もあり、日本がその範囲に踏み出すのではという懸念である


◯ この懸念は現政権の国会、国民、憲法軽視の姿勢から来ており、そのために憲法解釈における司法の権力、全体の歯止めや出動における国会の権力を定めるべき


としましたが、他の方の意見は以下のようでした。


自民党塩谷氏 - 日本の置かれた環境は変わっており、新三要件は憲法の制約を超えるものでない。


民主党細野氏 - 島嶼防衛、北朝鮮有事等の周辺事態への対応の必要があり、地理的範囲は残すべきでは。PKOは積極的に取り組みべき。


共産党島津氏 - 戦争の可能性高める現方針は反対。域内国の信頼醸成を促すASEANの取り組みを見習うべき。


ちなみにこの件は最後に以下の再質問もありました。


1-2. 防衛における対処が拡大される際に注意すべき点は?


私からは以下の三点を回答しました。


◯ 文民統制をしっかりと


◯ 国会の歯止めがかけられるように議員の安保の質を高める


◯ 正確な判断を期するためにインテリジェンス力を抜本的に高める


といった内容をまとめている今でも強く感じるのは、やはり国会で存分に議論したいなという事です。


それでも捲土重来に向け、また現在のアカデミックでの環境も活かしつつ、出来ることを今がんばります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2014年6月26日 (木)

「解釈改憲」を問うはずの中日新聞アンケートに回答

集団的自衛権の行使容認についてのアンケートが中日新聞から来ましたので、回答しました。

140701(出所:内閣広報室)

今日の他議員回答の新聞掲載によると、アンケートで質問されている「解釈改憲による」という文言が明記されておらず、あたかも単純に「集団的自衛権の行使容認について」の賛否を示しているようでして、それでは誤解されてしまいますので、あえて以下に示しておきます。

なお、アンケートに答えず、この後に及んでも方針を明確にしない与党議員もおり(上川陽子議員、岩井茂樹議員)、その良識を疑います。

------------------------------------------
問1. 解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に賛成ですか、反対ですか。

(回答) 解釈改憲には反対だが自衛権の在り方の見直しは賛成

問2. その理由をお答えください。

(回答) 「自衛権」発動条件や武器使用基準の見直しは必要であり、正々堂々と改憲手続きを踏み、同時に歯止めとなる基本法を国会で制定すべき。
憲法解釈は本来は司法に委ねるべき。
自民党がこれまで新憲法草案を示し、96条からの改正を目指し、安保基本法を制定するとした方針とも180度異なり、誰も理解出来ない。

問3. その他、与党協議など一連の政治動向についての意見があれば、ご自由にお書きください。

(回答) 蓋然性も不明かつ前提条件も定まらない事例を基にした与党協議による閣議決定では国会も国民も納得することはなく、安全保障政策の全体像も定まらないままに行動範囲のみが広がることになる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年5月21日 (火)

内容不十分なまま 原子力損害賠償の時効中断法案が衆議院で可決

私も質問主意書を提出している原発事故被害の賠償請求の時効問題について、

被害者を救済する時効の中断法案

5月17日衆議院・文部科学委員会で可決され、
5月21日には衆議院・本会議において可決されました。

今後参議院でも可決されることによって、この法案は正式に法律として成立することとなります。

衆議院・文部科学委員会での法案可決に際しては、附帯決議が付けられました。

この附帯決議というものは、今回で言えばこの法案の今後の運用や将来の立法による改善について衆議院・文部科学委員会の意思を表明したものです。

法律上の拘束力を有するものではありませんが、政府は附帯決議の内容を尊重しなければなりません。

今回付された附帯決議の内容は、簡単にまとめると


①原発事故の被害者が時効によって賠償請求をできなくなることについては、今後検討を加えて法的措置の検討を含む必要な措置を講じる

②損害賠償請求をしていない被害者を把握するために、和解の仲介手続等を被害者へより一層アピールする

③和解仲介を打ち切る際には、被害者が一ヶ月以内に訴訟を起こせるように特別の配慮を行う


というものです。

 しかし、法案、附帯決議ともにこの内容のままでは問題を解決するのに不十分であり、まだ検討しなければならない課題が残されています。

例えば、本法案が成立してもいずれ被害者の損害賠償請求権が消滅してしまうおそれは残されています。

この点について附帯決議がついていますが、その内容は時効による賠償請求権の消滅への対応について「法的措置の検討を含む必要な措置を講ずること」というとても曖昧なものとなっています。

このような言い回しでは法的措置を検討しただけで必要な措置をとったとも読めてしまい、時効による損害賠償請求権の消滅から本当に被害者を救済することができるのか不安になってしまいます。

また、和解仲介打ち切りの通知が届いてから一ヶ月以内に訴訟を起こさなければ損害賠償請求権が消滅してしまうのであれば、たとえ被害者のために特別の配慮をしても全ての被害者の損害賠償請求権を時効による消滅から守ることはできません。

 この問題を根本的に解決するためには、やはり原発事故被害者の損害賠償請求権を時効による消滅の対象から外すことが必要です

これからもこの問題の根本的解決に向け、みんなの党関係議員と連携して働きかけていきます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年10月19日 (金)

国を護るために

現在、呉服町事務所前では以下のアンケートを行っています。

  • 尖閣諸島問題に政権は充分な外交努力をしていますか?
  • 昨年に比べ日本の景気は改善していると感じますか?

皆さんはどう回答されますか?

現在の結果は以下となります。

1210figure2_2

まさに内憂外患の中、政府の対応に心配が高まっています。

毅然とした外交力を高めるためには確固たる防衛力が必要であり、その為には科学技術もインテリジェンスも必要です。

そして基盤となる十分な防衛・警察予算を確保するには、やはり経済を回復しなければならず、その為にはばらまきでなく既得権を打ち破る規制緩和を進めなければなりません。

つまり以下の順です。

規制緩和 ⇒ 経済再生 ⇒ 防衛力↑ ⇒ 外交力↑

 そして、その前に、既得権に縛られない自立した政治家が急務です。

地盤を断ち、保護産業との癒着を断った小池まさなりの闘う意義がそこにあります。

ばらまきを続けて弱体化するか、挑戦者を後押しするか、最後は皆さんの選択です。




| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月23日 (木)

植物工場が拓く食料問題解決への道

何度か掲載して頂いている、高校の同窓会HPにて「植物工場」について解説させて頂きました。

小池がこれまでは研究者として、そして今では政治家として取り組む、食料問題への解決の一途として紹介させて頂きます。

Pekoike091130v2_2

-----------------------------------------------------

龍城のWA! 第45回-3  小池政就さん(高45・日本大学講師)

  

植物工場って何?

 今回は農業、しかも工場生産という新しい体系についてご質問を頂きましたので、簡単に説明させて頂きますね。

 「なぜ小池が?」という声もあるとは思いますが、実はこの分野、農業だけでなく商業や工業も連携する農商工連携の一環として注目され、小池が研究者時代にいち早く政策提言した分野でもあるんです。(詳細は日本経済研究センターの「若手研究者による政策提言」を参照ください。)

 最初は京都や千葉、福岡等で展開されていましたが、今では全国に広がり、すぐ近くの清水町卸団地でも(!)昨年から野菜を作る工場が稼働しています。

 それでどのように野菜を作るかというと、室内で最適な生育環境をつくりだすんです。
気温や湿度にはじまり、野菜に与える肥料や照らす光の量と質、二酸化炭素濃度を全て人工的にコントロールします。例えば日光の代わりに蛍光灯やLEDを用い、土も使わずに水耕栽培で養分を送ります。

 そのため場所を選ぶ必要がなく、何と東京の丸の内のビル内でも生産されていたりします。
 その他のメリットとして、栽培日数がとにかく短く、年間20毛作近くが可能で連作障害の心配もありません。また常に一定の質で安定して生産でき、収穫された野菜はそのまま食べられるほど安全です。更に通常の農業のような重労働では全くなく、楽な姿勢で収穫や梱包に人手が必要となる程度です。

 私も何度も食べていますが、歯ごたえも良く、味でも露地物にもひけをとらないですね。それに光の質を変えることによって、栄養分まで通常より高めることも可能になります。例えば赤色の光だと葉が大きくなり、青色の光だとポリフェノールやビタミン等を増やす事もできます。

 ・・・と、良い事づくめのように聞こえますが、課題も当然あります。

 まず最大の課題、生産コストですね。
設備にかかる初期投資に加えて、操業にも電気料金等がかさみます。
結果として生産される野菜が少し割高になりますが、一方で捨てる部分も少なく、洗浄もいらないため加工時のコストは低減できます。また政府は半分ほどの補助金を設定しており、他にも通常の露地栽培と同様の税制にする等の環境整備が進めば普及も進むのではないでしょうか。

 また、需要がしっかり確保できるかという点も課題です。
得てして技術が良ければ、商品が良ければ成功すると思われがちですが、実はこの需要が安定的に確保できるかが大事で、この点で多くの参入者が頓挫してしまうようです。
 そこでスーパー等の小売で安全面を重視する消費者に訴えるだけでなく、飲食店と連携して使ってもらう取り組みも進められています。私の知り合いはラーメン店とも一緒に商品開発を進めたりもしています。

 といった課題もありますが、何より企業にとっては事業計画が立てられる、という点が魅力であり、生産も全てデータ化していつでもどこでも同質の野菜が作られるというのは大きな強みですね。

 最後に、エネルギーを専門とする自分が提言し続けているのが、国内だけでなく国外での展開です。

特に食料問題が今後深刻化する世界で、現地の再生可能エネルギーを使った発電設備との組み合わせはとてつもない可能性を秘めています。

 今は中国や中東諸国が食料生産のための農地を世界で買い漁っていますが、「新たな植民地主義だ」として問題になっています。また生産のための水の供給も大きな問題です。

 そこで、場所を選ばず、「水も施設内で循環してほとんどムダにすることのない植物工場」が、日本よりも発電できる太陽光や風力を組み合わせればまさに地産地消で、今まで食料の輸送のために使われたエネルギーも節約することができます。
 私もドバイやサウジで調査した際、スーパーで売られている野菜の多くが輸入品で価格もそれなりにしたのが印象に残っています。特にドバイのモールは日本より余程高かったですね。

 また植物工場は日本では「野菜工場」として野菜生産が中心ですが、より強い光量や人工の土壌を使えば穀物の生産も可能です。

 国内の高齢化する農業へ企業参入を促す、設備やノウハウによって世界の市場を拡大し経済を活性化する、そして未来の食料・エネルギー問題解決の一途になる、いっぱいの夢が詰まっています。

 お近くのスーパーで見かけましたら、ぜひその夢も一緒に召し上がってください!

■編集者より■
わかりやすい説明に感謝です。長いですが(笑)、興味のある方や詳しく知りたい方には 本文中にもあるPDFの論文 を読んで欲しいですね!

 イメージとしては9ページの表10がとてもわかりやすいと思います。

この図を見て、「植物工場のコンテナ化をして被災塩害地域や福島で安全な野菜や穀物が収穫できれば新たなブランドが生まれる!?」と閃いたんですけど・・・
「それはもはや夢ではないかも?」ということですよね?
小池さんの論文は2009年のものだから、現在はもっと発展しているのでしょう?

■小池■
ありがとうございます。
被災地での取り組み、既に進んでますよ!

外食チェーンや地元の農家の方をはじめ、計画は着々と増えていますね。

先月には実際に着工も始まった案件もあります。

特区内で法人税や固定資産税の優遇が受けられたり、ファンドとして広くお金を集める仕組みを活用しながら、復興に向けて進められてますね。同じ被災地で今後期待される大規模太陽光発電との相性もばっちりです。

 東北産野菜にあった風評被害を吹き飛ばす新たなブランドとして、また国外に展開できるシステムの構築例として、今後も目が離せないですよ。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2006年4月27日 (木)

CSISシンポジウム

月曜は朝のエネルギーゼミのあと、午後から久々に外部のシンポジウムへ。

ワシントンDCのCSISというシンクタンクと日経の共同開催だった。ソフトパワーで有名なJoseph Nyeや我らが先輩Michael Greenといった日米同盟の立役者が揃っていた。

060427_csis (写真: 第2回 日経・CSIS共催シンポジウム)

感想は・・久々に英語が聞けて嬉しかったのが一つ。しかも1000人ぐらい入ってそうな広い会場がぎっしりで「立ち見かな」と思って所、なぜか偉そうな人が前に案内されていくので付いていったら一緒に二列目の「関係者席」に座らせてもらった。偶然その前に知り合いが座ってたんで声掛けたら「なんつー格好だ」と指摘され、確かに周りは紺のスーツを来た中年の方ばかりで、迷彩服にオレンジのリュックというスタイルはかなり浮いていたよう。

内容は「日米中の今後」がメインテーマで、「日米は良いけどもう少し具体的な戦略を検討しようよ。あと日中の関係が悪いのは米も心配している。日本は靖国にこだわってないで包括的なビジョンを持つ必要があるね。」といったのが大まかなところ。東アジア共同体については「各国のギラついた思惑も考慮するとアメリカの関与が必要だと思うが、日本が頑張ってくれればそれを支援したい。でも頼りないが。」といったニュアンスだった。全体的にそんなに突っ込んだ議論はなかったが、振り返ってみるとやはりGreenは日本の状況や意見を良く理解してるなと感じた。

久々の国際関係の議論は慣れた分野だけに分かりやすい。でも実はもっと面白かったのはその夜にNHKで放映されたサイボーグ技術に関するドキュメント。立花隆氏が映画監督の押井守氏やロボット工学者の川人光男氏、河合隼雄氏との対談を行いながらサイボーグ技術の進歩と人間の変化を説明していたのだが、実に衝撃的だった。前期の授業で少し聞いた、視覚を失った人にメガネに装着したビデオカメラの映像を直接脳に送る、といった装置も実際の使用状況を見てしまった。また更に驚くのは、脳の働きだけでロボットを動かしたりネットワークを経由して遠隔操作が出来たりもしてしまう点だった。

そして最後に行き着くのは軍事化への懸念であり、実際にDARPAが開発しているというリモート・ラット(ネズミの脳を乗っ取りカメラ等を装着する事で好きな所へ操作できる)や兵士のモビル・スーツ化はまた戦争の形態を大きく変えるな、と感じた。行き過ぎじゃないか、とも思ってしまうが彼らにしてみれば「自分達がやらなければ必ず誰かが同じ事を開発する。その方が脅威だ。」という信念というか脅迫感から取り組んでいるようだった。常に戦いは続いてるんだな、と現実を垣間見ることができた。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2005年12月 3日 (土)

技術と危機管理

今日は朝一で政策空間の原稿を書き終えて、午後からまた授業。

今回は技術と危機管理について。パネリストは豪華な以下の三人。

野口和彦氏 (()三菱総合研究所参与)

野村 保氏 (日本原子力研究開発機構 執行役 安全統括部長)

佐々淳行氏 (元内閣安全保障室長)

毎回あえて一人は専門外の人を含めて、様々な観点からのディスカッションを行う方式。それでもたまにその一人が全く無知で一般論に終始してしまう例もあったりするのだが、今日はだれが専門家なのか分からない状態。

さすが危機管理のスペシャリスト、佐々さんだった。長時間のスピーチも原稿なしで大変興味深かったし、ディスカッションでも実体験に沿った教訓は説得力があった。実はアメリカ留学時代、9.11のテロの前夜に食事をご一緒させて頂いていたのが佐々さんだった。その少し前にはキッシンジャーの講演会で握手させてもらったり、急速に世界が広がったと感じた頃だった。ただの学生でも超一流の人たちと話せる機会が転がっていて、貧乏だけど本当に感動的な毎日だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

講義(ディベートon集団的自衛権)

安保の授業では、今回は2年生が主体となったディベートを開催。

テーマは「日本の集団的自衛権の行使の是非」について。

テーマとしては結構議論はし尽くされているので、生徒達がどこら辺をポイントにしてくるのかを興味深く聞いていた。日本がアメリカに「巻き込まれる」か「見捨てられるか」といういつものジレンマで分かれるかなと思ってたが、ややずれていた。国会議員でさえ良くあることで、「集団的自衛権」と「集団安保体制」の概念がやや混乱していたようであった。結果は否定側の勝利。

皆ディベートは初めてだったようで、自分達で調べて議論するという経験によって、知識の足りなさなどを確認してくれただけでも効果はあったと思う。

天気も良いこともあり、翌日の朝は久々に伊豆で波乗りに向かう。

今回は新しく貰ったボードの初乗りで、厚さや幅もあり今までのものとは段違いに乗りやすかった。おかげで、レギュラーだけだが横に乗るのも慣れてきた。浜の端っこではサーフィンとボディボードの検定試験も行っており、モチベーション維持にも次回は是非トライしてみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年7月 1日 (金)

授業(軍事力)

さて、気を取り直して安保の授業。

今日は軍事技術・軍事革命について。肝心のインテリジェンスは時間が足りず持ち越し。。

まずは軍事力の概念から。軍事力とは、クラウセヴィッツが言うような「戦争=敵の強制・自らの意志の遂行のための暴力行為」の手段としてだけでなく、防御力としても現在の国際情勢では結局不可欠なものである。それはつまり、これまで説明してきた冷戦後の国際関係や国連の機能上の課題にもつながる。古くは高坂正尭氏も言うように、国際社会は国益を追い求める国家間の争いであり超国家組織や警察・裁判所などのシステムが未整備のうちは自らの安全は自らで保障するしかない。

更に軍事力の機能も、強制、防御だけでなく抑止や外交・安保上の交渉ツールといったように広がっている。当然構成要素も幅広い。そしてこれらの変遷を説明するためにも、軍事革命(RMAの初期からの経緯を説明。大事なのはRMAとは技術だけの革新でなくて、政治と社会、軍事組織や戦略・戦術といった組織的な変化を含むということ。特に最近はアルビン・トフラーも予言したように、情報システムの役割が高まっている。

dr_albin

(アルビン・トフラー 未来学者って肩書きがうさんくさいが。 写真:NHK情報ネットワーク

特に、湾岸戦争(第一次、二次)の際の話は映画を超えた内容を含んでいる。イラク軍と米軍間でのスコープ(暗視装置)の性能の決定的な違いや、GPSを使った精密誘導団の話。また、フセインへの第一撃までの経緯、は以前観たエネミー・オブ・アメリカ007の衛星からの攻撃を思い出す。イラクに潜入していた特殊部隊が「フセインがあるレストランにいる」との情報を得て、リアルタイムで本部に連絡する。その情報が飛行中の戦闘機に伝わり、爆撃する。これが分単位で行われている。フセイン本人はこの時生き延びたのだが、この一発が最大の衝撃を与えその後の圧勝に導いている。多くの英字雑誌の表紙を飾った砂漠のストームによる影響も、予想に反して戦争の長期化に繋がることはなかった。

一方でここまで拡大した軍事力の格差がいったいどこまで続くのか、どこまで拡大するのか、といった各国リーダーの心配はいかほどかと思う。そこを補うのが、広義的な軍事力なのであろうが。

032403cover

(写真:FareedZakaria.com)

前期もあと2回。楽しんでいきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年6月30日 (木)

インテリジェンス

今日も今日とて講義の準備。

いよいよもう7月ということで、講義もあと3、4回(正確に把握していない)。

次回の安保の授業は「軍事技術・軍事革命・インテリジェンス」について説明する予定で準備。とりあえず日本語でいうところの「情報」と「インテリジェンス」(分析・評価したもの)の言葉の違いなど、基礎から読み進める。

インテリジェンスのプロが言うには、現在は必要とする情報の95~100%は公刊情報で入手できるが、重要なのはこの過多な情報の処理能力ということ。冷戦時代のKGBも競うようにモスクワに情報を送ったが、そのほとんどが処理されずに捨てられたらしい。

確かに最近の情報アクセスの向上はすごい。ネットさえ繋がればかなりの個人情報も取れるのでは。つい昨日も、10年以上ぶりに地元の友達から急にメールが届き「おぉ?」とたまげてしまう。しかもこのブログも見てくれたとのこと。一応匿名なのに良く分かったなーと関心してしまう。「勉強しなくちゃ」って言ってくれる人もいたり「内容はちんぷんかんぷん」って言われたりもするが、確かに興味の無い人には全く面白くないなとは十分理解。元々自分のノート代わりで使っており、読んでくれてた人がいたとは、嬉しいようで申し訳なくもある。。でも普通の個人的日記や内輪ネタだと単なる自己満足だしな、、とも思うし。

ともかくかなり元気づけられた!

(一方で、情報アクセスの話にもどると、「悪いこと出来んな」という不安も。。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)