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2014年8月20日 (水)

安倍川花火大会の食中毒事件: 被害者は救われないのか

安倍川花火大会の食中毒は発症者が現在508人にもなりました。

Abekawa(中日新聞 2014.8.19

私も街頭にて被害者のお母様から話を聞き、事態の深刻さを改めて感じているところです。

 

いまだ投石治療の為に入院しており、退院出来たとしても今後の生活や保険の扱い等で負担が残るかもしれない、との事です。

 

そこで今回のような場合の救済に何か出来ないか模索しています。
(以下現状です)

 

 

[原則]

 

被害者は治療費及び休業補償等の損害が生じていると考えられます。しかし、法的には、このような損害については、食中毒の原因となった食物を売った業者に対し、不法行為責任(民法709条)に基づき損害賠償請求ができるにすぎないのが原則です。

 

そこで、業者の財産の範囲でしか、損害に関する補償を受けることができないこととなります。

 

 

[類似の事例における救済例]

 

本件のように、祭りのような不特定多数者が集まる場所で、多数人に被害が出た近時の事例としては、以下のものがあります。

 

2013年8月15日に、福知山市の花火大会会場において、屋台店主が自家発電機に給油しようとした際、過失により爆発を生じさせ、死傷者が出た事例においては、業者が加入する保険では十分な被害者救済が困難であったため、以下のような救済策が採られています。

 

花火大会の主体である地元商工会議所が、法的責任はないが道義的責任があるとして、地元商工会議所の基金から、被害者に対し、示談による補償対応を行っています。

 

また、花火大会の共催者である福知山市も、法的責任はないが社会的責任があるとして、地元商工会議所が行う示談による補償対応に対し、一定額の援助を行っています。

 

さらに、被害者に対し、地元弁護士会が法律相談を行っており、その際の弁護士費用についても、日本弁護士連合会の援助制度を利用することで、低額に抑えられるよう配慮されています。

 

 

[本件における救済の方策]

 

本件においては、加害業者が十分な保険等に加入していないとのことですので、加害業者に対し、損害賠償請求をすることでは、十分な補償を受けることができないと考えられます。

 

そこで、福知山市の件を例に取れば、本件祭りの開催者である安倍川花火大会を主催・支援した実行委員会及び静岡市等に対し、道義的・社会的責任の見地から、補償を求めていくことが被害者の負担軽減に繋がります。

 

その際、被害者それぞれではなく、被害者がまとまって、補償に関する交渉を行う方が実効性が高いと考えられます。

 

もっとも、個人情報保護等の関係から、静岡市等から被害者の氏名等を教示いただくことは困難とのことですので、弁護士会等に相談することで、弁護士会が主体となり広報すること等により、被害者に申し出ていただき、被害者がまとまって弁護士会等を窓口として、補償に関する交渉をすること望ましいと考えられます。
(前記福知山市花火大会露店爆発事故及び明石市花火大会歩道橋事故等においても同様の方策が採られています。)

 

 

静岡の弁護士会も相談会を予定しています。

 

(参考)
県弁護士会消費者問題委員会が無料電話相談会を実施

 

8月21日、29日の両日
時間  10AM~6PM
通話料 相談者負担
番号 054 – 272 - 3147

 

出店者に大きな責任がある事は明らかですが、被害者の救済に主催側も寄り添って対応されるよう働きかけていきます。

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