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2013年5月 8日 (水)

原発事故被害の賠償請求に関する質問主意書提出!

福島県の原発事故で発生した事故のため、2年以上経過した今も、多くの人々が不安感と共に避難生活を送っています。多くの政治家が、口々に、「救済、復興」と叫んでいます。しかし、皆さん、ご存知でしょうか?

実は、このままでは、原発事故による損害について、救済してもらえる権利が、早ければ1年足らずで、消えてしまうかもしれません。

民法の「時効」の規定(724条)に、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」とあります。

難しいですよね。簡単に解説します。

たとえば、殴られてけがをしても、誰がやったか、けががどのくらいか、などを知ったときから3年間のうちに加害者に対して「賠償して!」と請求しなかった場合、仮に加害者側から「時効だから払わない」と言われると、賠償金をもらえなくなるのです。また、誰がやったか、どのくらいの怪我かをきちんと把握していなくても、殴られた時から20年過ぎてしまうと、たとえ後で犯人が誰かわかって、お金を請求したいと思っても、請求する権利自体が消えてしまうのです。

これは、困りますよね。

原発事故は被害が重大で、生活もまだまだ落ち着かず、賠償金の請求どころではない方々もたくさんいらっしゃいます。また、現段階でどのくらいの損害が出ているか、きちんと把握できない方も多くいらっしゃいます。また、放射線による影響というのは将来になってわかることも多く、数十年経過後に健康被害が発生する可能性もあります。

そのような方々に、将来、「請求権は時効や除斥期間によって消えたから、救済は無しだよ」、といえるでしょうか。

政府は、この時効問題に対応するために、「時効特例法案」を今年の4/23に閣議決定しました。これで、一見、時効問題が片付くかのように見えました。

しかし!この法案の内容というのが、時効で権利が消滅しないのは、「原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介申立てをした人」に限られる、というものでした。

これはおかしい!と思い、閣議決定の翌日に、さっそく、質問主意書を政府に提出しました。


そして、答弁書を5月7日(本日)に政府からいただきました。

結局、政府は、時効特例法案は、被害に遭われた方々が「今から原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立てをしても、解決まで時間がかかって、権利が時効で消滅してしまうのでは」と心配して、和解仲介の手続きを利用しなくなるのを防ぐための法案だ、と言っているんですね。権利の時効消滅一般を防ぐためのものではなく。

政府は、さらに「被害者の方々の具体的な状況の的確な把握に努め」「必要な対応について検討する」と言っています。事故から、もう既に2年以上が経過しているのですが。これから、把握に努める、対応を検討する、ということらしいですね。

とりあえず、権利の消滅を防ぐような法律を作らないと、事態はより複雑化するのではないでしょうか。仮に、東京電力が「時効にかかっても、時効の主張はせずに、ちゃんと払います」と言っても、本当に正当な額をきちんと払ってもらえるのでしょうか。本来ならば時効にかかっている、という事実が被害者側の立場を弱くすることはないのでしょうか。

やはり私は、条件なしに権利の時効消滅を防ぐ、という積極的な立法によってしか、被害者の救済は図られないと考えています。これは、最低限、必要な条件です。

日弁連でも、いま、この問題が大きく取り上げられています。5月1日には、日弁連主催で、この問題に関する学習会が議員会館にて開かれました。弁護士の方々の間では、「どうにかしよう」、という動きもあるようです。

また、私が提出した質問主意書も、弁護士の方々の間で話題になっているようで、これからも、ますますがんばろう、という熱い思いが湧いてきました。

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