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2013年5月

2013年5月21日 (火)

内容不十分なまま 原子力損害賠償の時効中断法案が衆議院で可決

私も質問主意書を提出している原発事故被害の賠償請求の時効問題について、

被害者を救済する時効の中断法案

5月17日衆議院・文部科学委員会で可決され、
5月21日には衆議院・本会議において可決されました。

今後参議院でも可決されることによって、この法案は正式に法律として成立することとなります。

衆議院・文部科学委員会での法案可決に際しては、附帯決議が付けられました。

この附帯決議というものは、今回で言えばこの法案の今後の運用や将来の立法による改善について衆議院・文部科学委員会の意思を表明したものです。

法律上の拘束力を有するものではありませんが、政府は附帯決議の内容を尊重しなければなりません。

今回付された附帯決議の内容は、簡単にまとめると


①原発事故の被害者が時効によって賠償請求をできなくなることについては、今後検討を加えて法的措置の検討を含む必要な措置を講じる

②損害賠償請求をしていない被害者を把握するために、和解の仲介手続等を被害者へより一層アピールする

③和解仲介を打ち切る際には、被害者が一ヶ月以内に訴訟を起こせるように特別の配慮を行う


というものです。

 しかし、法案、附帯決議ともにこの内容のままでは問題を解決するのに不十分であり、まだ検討しなければならない課題が残されています。

例えば、本法案が成立してもいずれ被害者の損害賠償請求権が消滅してしまうおそれは残されています。

この点について附帯決議がついていますが、その内容は時効による賠償請求権の消滅への対応について「法的措置の検討を含む必要な措置を講ずること」というとても曖昧なものとなっています。

このような言い回しでは法的措置を検討しただけで必要な措置をとったとも読めてしまい、時効による損害賠償請求権の消滅から本当に被害者を救済することができるのか不安になってしまいます。

また、和解仲介打ち切りの通知が届いてから一ヶ月以内に訴訟を起こさなければ損害賠償請求権が消滅してしまうのであれば、たとえ被害者のために特別の配慮をしても全ての被害者の損害賠償請求権を時効による消滅から守ることはできません。

 この問題を根本的に解決するためには、やはり原発事故被害者の損害賠償請求権を時効による消滅の対象から外すことが必要です

これからもこの問題の根本的解決に向け、みんなの党関係議員と連携して働きかけていきます。

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2013年5月11日 (土)

川口環境委員長の解任決議

連休明けのバタバタした一週間が過ぎました.

今週はいつもの憲法審査会と本会議,参院選に向けたアジェンダ作り等に追われました.

その報告の前に・・・

一昨日の参議院での川口環境委員長の解任決議,マスコミからはかなり一方的な主張が多いので是非本会議での討論内容を知って頂きたいと思います.

みんなの党からは水野賢一議員が登壇しました.

その主張の内容は以下の通りです.

○ 今回の川口氏の訪中は私的な外遊 (国会派遣でも政府の親書があるわけでもない)

○ 開会中の議員の海外渡航は国会承認必要

○ 渡航の延長は自民党の議運委員長も了承していない

○ 川口氏は環境委員会の理事会の誰にも相談,報告していない

○ 中国側の都合に合わせて日程を変えたことが国益にどう資したのか不明

○ 本来であれば懲罰事由である中,今回はせめて委員長職から退いて欲しいとの決議

○ 川口氏は大臣時代,政府の一員が台湾を訪問することに反対

○ 今回の決議は国会の役員としての常任委員長の資質を問うもの

また,短時間と言えども委員会運営には大勢の人が関わっており,多数ある委員会との調整を経ての日程という事も触れたメディアはありません.

かつ,川口氏と中国側の楊氏は二国間で会ったわけでなく,多国間グループの会合に共に出席した程度であった,との事も伝えられていません.

野党側の発信力のなさ,世論を読みきれてない,と言えばそれまでですが,情報がしっかりと伝えられていない点も主張していかなければならないと思いました.

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2013年5月 8日 (水)

原発事故被害の賠償請求に関する質問主意書提出!

福島県の原発事故で発生した事故のため、2年以上経過した今も、多くの人々が不安感と共に避難生活を送っています。多くの政治家が、口々に、「救済、復興」と叫んでいます。しかし、皆さん、ご存知でしょうか?

実は、このままでは、原発事故による損害について、救済してもらえる権利が、早ければ1年足らずで、消えてしまうかもしれません。

民法の「時効」の規定(724条)に、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」とあります。

難しいですよね。簡単に解説します。

たとえば、殴られてけがをしても、誰がやったか、けががどのくらいか、などを知ったときから3年間のうちに加害者に対して「賠償して!」と請求しなかった場合、仮に加害者側から「時効だから払わない」と言われると、賠償金をもらえなくなるのです。また、誰がやったか、どのくらいの怪我かをきちんと把握していなくても、殴られた時から20年過ぎてしまうと、たとえ後で犯人が誰かわかって、お金を請求したいと思っても、請求する権利自体が消えてしまうのです。

これは、困りますよね。

原発事故は被害が重大で、生活もまだまだ落ち着かず、賠償金の請求どころではない方々もたくさんいらっしゃいます。また、現段階でどのくらいの損害が出ているか、きちんと把握できない方も多くいらっしゃいます。また、放射線による影響というのは将来になってわかることも多く、数十年経過後に健康被害が発生する可能性もあります。

そのような方々に、将来、「請求権は時効や除斥期間によって消えたから、救済は無しだよ」、といえるでしょうか。

政府は、この時効問題に対応するために、「時効特例法案」を今年の4/23に閣議決定しました。これで、一見、時効問題が片付くかのように見えました。

しかし!この法案の内容というのが、時効で権利が消滅しないのは、「原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介申立てをした人」に限られる、というものでした。

これはおかしい!と思い、閣議決定の翌日に、さっそく、質問主意書を政府に提出しました。


そして、答弁書を5月7日(本日)に政府からいただきました。

結局、政府は、時効特例法案は、被害に遭われた方々が「今から原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立てをしても、解決まで時間がかかって、権利が時効で消滅してしまうのでは」と心配して、和解仲介の手続きを利用しなくなるのを防ぐための法案だ、と言っているんですね。権利の時効消滅一般を防ぐためのものではなく。

政府は、さらに「被害者の方々の具体的な状況の的確な把握に努め」「必要な対応について検討する」と言っています。事故から、もう既に2年以上が経過しているのですが。これから、把握に努める、対応を検討する、ということらしいですね。

とりあえず、権利の消滅を防ぐような法律を作らないと、事態はより複雑化するのではないでしょうか。仮に、東京電力が「時効にかかっても、時効の主張はせずに、ちゃんと払います」と言っても、本当に正当な額をきちんと払ってもらえるのでしょうか。本来ならば時効にかかっている、という事実が被害者側の立場を弱くすることはないのでしょうか。

やはり私は、条件なしに権利の時効消滅を防ぐ、という積極的な立法によってしか、被害者の救済は図られないと考えています。これは、最低限、必要な条件です。

日弁連でも、いま、この問題が大きく取り上げられています。5月1日には、日弁連主催で、この問題に関する学習会が議員会館にて開かれました。弁護士の方々の間では、「どうにかしよう」、という動きもあるようです。

また、私が提出した質問主意書も、弁護士の方々の間で話題になっているようで、これからも、ますますがんばろう、という熱い思いが湧いてきました。

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