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2009年1月

2009年1月25日 (日)

講義終了

毎週一日,静岡で行っていた講義がようやく終了(2008年度).
あとは毎回提出してもらった課題とこれから行うテストの採点が待っている.

今期は両授業ともに,アメリカの新政権の今後が関連してくる内容であったため,準備にやや手間取ったりした.特に今後の見通しとして授業で注目したのは「財政」,「エネルギー」,「環境」の三点.

この観点から,今のところ一番具体的であろう施策であろう下院民主党の景気対策法案とオバマ自身による「グリーンニューディール」と呼ばれる再生可能エネルギー推進案を取り上げてみた.

Obamasurfing
初のサーファー大統領ということでサーフィン界も盛り上がっている(らしい).
(出所: africansurfer.com  写真はAP)


二つのうち,景気対策案については「これで足りるのか」という声もある一方で,既に巨額の対策案となっている.経済規模等も異なるので単純比較はできないが,名目額では過去の[高速道路整備],[ベトナム戦争戦費],[アポロ計画]などの大プロジェクトを大きく上回る規模であり,発表時に共和党関係者からは驚きの声が挙がったのも当然である.

これを「財政」の観点から見るとリスクが高い.既に過去最高の1兆ドルにも達しようかという中での大規模財政出動である.減税を伴う景気対策であるので財源として公債に頼らざるを得なく,市場の買手も欠いている中で売るためには金利負担も高くなるだろう.そこで当面はFRB(連邦準備制度)や日本の財政投融資などの協力が必要となろう.

ただガイトナー次期財務長官や日本でも一部評論家が主張するように,まずは景気対策であり財政等他の問題はあとで解決できる,という優先順位も理解できる.特にアメリカの強い消費が回復すれば過去の実績をみても期待は十分にもてる.逆に恐いのは消費が回復しないケースであり,ギャロップの調査でも「オバマでは増税回避はできないだろう」という見方が過半数を占めており,将来の増税を想定していては現在の消費には結びつかない.

このような点を含め,今後議会での議論に注目する必要がある.これはアメリカでの「立法権」は唯一議会におかれているためであり,大統領は全体方針を伝えたり拒否権を発動することはできるが日本の閣法提出のような権限はない.昨晩観た日本のテレビ番組でもそうだったが,大統領の権限を(特に日本の総理を引き合いに出して)誇大に伝えたいのか分からないが,正確とは言えない説明が多い.

一方「環境」「エネルギー」では再生可能エネルギー分野に巨額の支援を発表しているが,これは純粋に環境やエネルギーへの貢献だけでなく景気対策や産業転換の為として見れば支持が高いのも理解できる.政権としても必ずしも全てではなくどれかに効果があればある程度の評価が得られるという上手い策である.懸念としてはブッシュのバイオ燃料推進策のように,生産者が補助金によってしか生産を維持できないという政府への依存体質が長く続くことだろう.こちらはベンチャー等新規事業者によって競争が進むことを期待するしかないし,そもそもの需要や市場の拡大のために,現在の化石燃料がどうなるかという点が重要である.この旧来型の化石燃料が本来の自分の専門であり,定量的予測等含め今後も取り組んでいきたい.


今年度のクラスも割と熱心に聞いてくれたり意見を出してくれたり,いい雰囲気で進めることができた.「ゼミがあったら入りたい」と言ってくれる学生もいて,自分もできたら是非ゼミを担当してみたい.講義内容以外にも皆とより色んな話ができると思う.ただ飲まされるのは恐いが..それより酔った自分のが恐いかも..
他にも配布資料等の準備を手伝ってくれる子達もいて,体力的に助かったという以上に,精神的に非常に嬉しかった!

ということで,元気をもらったついでにオバマを見習いつつ・・・冬の海に向かった.

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