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2007年4月21日 (土)

NHKスペシャル(中国格差)

最近NHKで、春節(旧正月)前後の中国の人々の動きを追ったドキュメンタリーが何回か放送されていた。

その中で主題として映し出されていたのは国民の間の超格差だった。都市に来ても日雇い仕事さえ見つからない農民工と一日一億ほど稼ぐ不動産投資家達、そのコントラストは痛烈だった。

それら億万長者が口にする言葉が鄧小平の「富める者から富んでいけばよい」とする先富論だった。確かに成功者が増えるのは社会にも経済にも活気が生まれるし、人々の努力のインセンティブにもなるという点で非常に重要である。

一方で現在の中国で果たして成されているのかと疑問に思うのが、冨の再分配と機会の平等である。冨の再分配については政府が税制等によって促す方法もあると思うし、また富める者の間でのNobless oblige(財産、権力、社会的地位には責任が伴う事)が広がることも必要だと思う。

中国では両方ともまだまだ不十分だと思うが、一方で日本においても特に後者の精神は浸透しているだろうか。自分の生活すらままならない今の自分が言うのも何だが、本来ならば自分たち富める国の国民は国内はもとより国外においても果たすべき責任を負っているはずである。そしてその意識が社会を大きく変えていくものと確信している。

また機会の平等については、中国では教育機会、就職機会、広くは医療を受ける機会といった面で貧しい人々が困窮している。特に医療の場合は深刻で、テレビでも家族に経済的負担をかけたくないばかりに自分の病を隠す老人の姿や、機械に腕を巻き込まれても治療が施されずに腕が曲がってしまった少年が映し出されていた。近年では日本でも問題になっている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が果たして中国で保障されているのか、その限度とは、といった点が自分たちの常識では計り知れないレベルにある。

一方、格差を映し出すこのドキュメンタリーで自分が他に印象を受けたのは家族の結び付きだった。

農民工の家族は子供に同じ苦労をかけたくないと、総出で出稼ぎして教育費を稼ぎ、正月の時期にしか子供には会えない。残された幼い子供たちはそんな親の気持ちを理解し、必死に勉強する。

「将来の目標は?」と聞かれると、多くの子供たちは「両親をこれ以上苦労させたくない」と語り、泣き伏せてしまった。

そんな子供たちの優秀な成績を聞き、「頑張りがいがあるよ。」と熱を出した体でまた肉体労働に向かう親たち。

また、帰省ラッシュで混雑するバスターミナルで1年分の給料を強盗に盗まれた男性。途方にくれる彼に、会社が「家族に会って来い」と帰省費用を出してくれた。

彼が残した言葉がまた印象的だった。

「上には親がいて下には子がいる。困難でも頑張る理由はそこにある。」

養老愛幼。

生きる理由。稼ぐ理由。その中心にある尊いものを見た。

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