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2006年2月

2006年2月27日 (月)

YLセミナー「東アジアの金融協力」

土曜は久々にYLの集まりを開催。

今回は昔から親交のある青山TGセミナーと共催ということで、表参道ヒルズのすぐ近くの会場をお借りした。内容は、アメリカで勉強しているノリの友人でもある、Heon Joo Jung氏による「東アジアの金融協力」について。英語での議論は初めての試みだったが、意外に盛り上がってまずまず安心だった。

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彼の発表は非常にアカデミックであり、金融に関わる地域協力を幾つかの層に分けてメリット・デメリットを明確に説明してもらった。新聞のように単に各国の動向やら思惑だけを追うのでなく、まずは構造的な所に焦点を当てていた。

この分野は、自分もアジアの経済連携について書いた本の中で触れていたので非常に関心の高い点でもあった。特に最近もヘッジファンドがアジアに投資を拡大していたり、域内での貿易が活発になるほど、金融協力の必要性が高まっている。

今回も幹事ということで、会場案内等で残念ながら発表の全ては聞けなかったのだが、分野の興味深さと合わせて久々の英語の議論が非常に刺激的だった。TGからはMBA系の人たちも出席していたので皆英語は流暢だったように聞こえた。その後はそのままみんなでピザパーティ。非常にリラックスできる空間で、かつ効率的だった。ちなみに帰りに寄った表参道ヒルズは、高そうで小ぢんまりとした店が窮屈に並べられており、ほとんど行くことは無いなと確信。

留学時代に苦しんだ経験を思い出しつつ、その努力を0にしないためにも今後も続けて行こうと思う。何しろ最初はクラスで何を話しているのか分からなかったし、何とか質問してみると既に議論は別の問題に移っていて、「こいつは今頃何を言い出してるんだ」という目で見られていた。いやー、きつかった。

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2006年2月10日 (金)

植物が地球温暖化に加担?

自然科学系としてもう一発、もうちょい専門に近いエネルギー・環境系で驚きの論文が発表された。

Methane emissions from terrestrial plants under aerobic conditions Keppler F, Hamilton JTG, Brass M, Rockmann T NATURE 439 (7073): 187-191 JAN 12 2006

060210nature (出所:www.nature.com)

内容は「植物から地球温暖化に加担するメタンが大量に発生している」ということであり、つまりこれまで温暖化対策として進められていた植林をすればするほどメタン発生量が増えてしまうという事に結びつく。

論文によると、地球上の陸上植物から放出されるメタンの総量は年間60百万トンから236百万トンであり、二酸化炭素に換算すると、1260百万トンから5000百万トン相当となる。ちなみに日本の2002年度の温室効果ガスの総排出量は二酸化炭素換算で1331百万トンで、植物による影響がいかに大きいか分かる。

もしこれが本当だとすると、京都議定書で決められた「植林した分は二酸化炭素削減量から減らすことができる」という施策は根本的に見直す必要が出てくる。そうしたら日本を含む各国は今のままだと到底削減量の達成には結びつかないだろう。

論文に関する議論は当然まだ続くと思われるが、政府も無視はできずに林野庁等が直ちにつくば市の独立行政法人森林総合研究所に追試を求めたとの事。その中間データによるとスギとカシの葉からのメタン放出を確認したらしい。ただしその量がこれまでの通説をはるかに超えるものなのか、興味が高まるところである。どっちみちの結論としては、まず確実に分かっている温暖化ガスの排出源を減らす事がより強化され、「省エネ」や「自然エネ」といったものにより重点が置かれるのだろう。

感想としては、科学の力を改めて思い知らされた。これは自然科学でも社会科学でも同じなのだろうが、自分達が生きる世界では明らかになっていないことが無数とあり、それらについての必ずしも普遍的でない科学的解釈によって人々の行動や選択が決定されている。そしてその解釈の探求は実は社会やパラダイム全体を変える大きな力を秘めているのだな、と。逆に言えば、その曖昧なところに自分達の価値観を押し込み正当性を得ることができれば強大な力に結びつく、という戦略も持ち得る。国際関係でいう「ソフトパワー」という概念も同様である。この点において、科学も発達し伝統的な文化や価値観を持つ日本は大いに武器を持っていると思うのだが。

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2006年2月 9日 (木)

自然科学の世界

ようやく初年度の講義も終わったのだが、今度は学生としての課題に追われながら過ごしている。

060209_br_grass (出所:桐蔭横浜大学 生命・環境システム工学科)

院での授業はかなり多岐にわたり、課題では「福祉工学」や「オーラル・ヒストリー」といった分野での考察を書いた。かたや科学技術で生体障害を補うものであり、後者は技術も合わせていかに公人の記憶を記録に残すかという試みである。特に前者は驚きの連続であって、例えば視覚障害を補うために眼球に組み込まれたカメラからの情報を直接脳に電流で流すという、まさにターミネーターの世界が現実になりつつある。

そしてこれらを含めた技術の扱いと普及に関しての基本的な考え方として、国際関係や倫理、危機管理や安全といったテーマとの関わりに関しても新しい考察ができた。技術とは社会の価値観や様態をガラっと変えることの力を持っているが、技術そのものは意思をもたず、扱う人間によってその使途や開発が左右されることを改めて学んだ。

という事で、少しずつだが自然科学に足を踏み入れつつある(もしかすると中学以来)。

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