« 技術と危機管理 | トップページ | 講義(日米経済、台湾有事) »

2005年12月12日 (月)

講演「日本の民主主義は本物か」

日曜は昼から所属しているYoung Lionsの定期会で、愛知和男衆議院議員を囲んでの議論に司会として参加。

YL

テーマは「日本の民主主義は本物か」ということで、議員の20年超の国会経験を交えて主に政と官の関係についてお話を頂いた。愛知議員には充電期間中にワシントンでもお会いし、その時も同様のテーマでお話頂いたのだが、今回国会に復活して改めてその思いを強くしたようだった。

憲法第86条にもあるように、予算そして立法に関しても内閣が作成して提出し、国会は現状否決はできるが修正できないという状態との事。この点、議会が予算・法律を作成して大統領が拒否権を持つアメリカとは正反対である。そこで、立法府の強化が求められるのだが、議員からは「役所で法案作成に携わっている人間を立法府の所属にすべきである」との提言があった。ここでは当然役所側からの抵抗も予想され、切り口として当面は両者の人事異動は認めるという案である。

その後議員のお話をもとにして、アメリカの立法府の働き等も交えて皆で議論。この点では、ワシントン時代からの師匠でもある渡部恒雄さんの補足が大変有意義だった。渡部さんからは制度的な違いの前に、やはり根本的に憲法上での取り決めが問題であると指摘。つまり愛知議員の指摘する、「内閣が作成し、提出する」という点である。また内閣の権限が強い理由としては法制局が大きな力を持っており、この機能を司法(憲法裁判所等)に委ねるべきではとの案も出た。更に、モメンタムとしては渡部さんが常に言われるように、日本にはまだ制度が大きく変えるだけの大きなきっかけが足りないという点もある。アメリカが1970年代のベトナム戦争による防衛費の大幅増加を契機にして財政規律強化に動き出しCBOGAO等の機能が定まってきたように、何かしらの大きな契機が必要でもある。

更に議論は尽きることなく、ポリティカル・アポインティ(政治任用)やシンクタンクの役割、情報の共有という点にも広がっていった。特に情報については、立法側にそのアクセスが少なすぎる点がいつも課題だと思っていたのだが、「情報の守秘義務」が重要であり(外交では特に)、その為に役所から出てくるものも客観性が無いものになってしまうという見方は納得だった。これらの点は、実は帰国する前にはずっと自分の中の一つのテーマにしてきたものでもあり、久々にブラッシュアップの良い機会を与えられたと思う。

最後に、議員からは「政官攻防史」という本を薦められたので是非読んでみたい。

|

« 技術と危機管理 | トップページ | 講義(日米経済、台湾有事) »

外交」カテゴリの記事

コメント

わが国の民主主義の問題は、他にも政権交代がないことがあると思います。
これは根っこが深く、シンクタンクがないこと、官の権限が大きすぎるととなどがありますが、なんとかしないといけませんね。

投稿: 藤末健三 | 2006年2月10日 (金) 12時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 講演「日本の民主主義は本物か」:

« 技術と危機管理 | トップページ | 講義(日米経済、台湾有事) »