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2005年10月

2005年10月21日 (金)

講義(地方財政、米安保戦略)

毎週驚かされるのだが、東京から箱根の山を越えると急に天気が温暖になる。

という事で、今日も上着が必要ないほどの天気の中、大学へ向かう。途中でアイス食べながら歩いてたら学生に声かけられた。いつもそうなのだが、今日も電車の中はもとより着いてからも授業ぎりぎりまで準備に追われる。

ice051021 (出所:glico.co.jp  美味いが小さいのが玉に瑕。ジャイアントコーンのがmuch better)

とにかく、バタバタと教室に入りながら講義開始。まずは前回の復習としてアメリカの地方自治を軽く説明したあと、連邦政府の役割を巡っての政党間の論争の経緯を説明。現在の民主党の最初の生い立ちは、何とRepublicanという名前であったり、連邦政府の権限についての主張も今とは反対であったりと、結構複雑に推移している。ちなみに最近の両党の傾向は、恐慌後にルーズベルト大統領によって実行されたニューディール政策を巡る所が大きい。一方でアメリカの根底には欧州の中央集権的な社会から逃れてきた人たちの理念が流れており、政府への過度な権力集中がないかと目を光らせている。その後、地方財政について、税収の内訳なども挙げながら日本との比較を行う。アメリカの州には税目や税率を決定する権利が多く与えられている一方で、各州間の財政力を調整する仕組みが無いところは興味深い。地方の自助努力に任せるというのが徹底している。

安保の講義も、今日はアメリカについて。前回に引き続いてブッシュ政権内の政策アクターについて説明。第二期に入ってもチェイニー、ラムズフェルド、ライスといった面子はそのままで、パウエルやウォルフォヴィッツが抜けた影響がどう出ているか興味深い。残りは全体の方針的な話として、NSSNational Security Strategy)やNDSNational Defense Strategy),NMSNational Military Strategy)といった戦略の位置付けを説明。国益というターゲットが明確化され、その為の手段・プロセスが戦略的に練られている事に改めて感心をもってしまう。尚、2つあったディベートのトピックの1つが変わり、「日本の集団的自衛権行使の是非」となった。安保では今さらというテーマだが、一応これからの国会議論でも再燃しそうな事もあり、学生の興味も沸いてきたのかも。

最近は講義中だけでなく、時間外・分野外でも色々相談されるようになって嬉しいところ。ただ大学の指導が甘いせいか、レポートの書き方の基本などについてもいちいち注文しなければならないのはややきつい。

いつも通り腹ペコでぐったりとしながら帰京。今週はまだまだ宿題が多く、かなり地味な週末になりそうな予感。。

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2005年10月20日 (木)

講演「当事者から見た2005年総選挙と日本の政治」

今日は最近定期的になってきた、Young Lionsの講演会に出席。

またいつも通り、司会を務めさせて頂く。しかし主催も自分も開始時間を間違えたため、会場までバイクで飛ばし、ヘルメットを抱えたまま登場というバタバタぶり。

という事で、本日のスピーカーはYL仲間で今や衆議院議員の牧原さん山本さん。前回ではコメンテーターだったが、今回は改めて主役という事でお忙しい中来て頂いた。

051019YL

内容については、選挙への突入経緯と当選後の感想について。お二人とも今回の選挙前に公募で選ばれ、強力な相手候補と互角に闘ってきた。その経験からか、やはり留学時代に話していたときとは発言にずしっと重みがある。是非これからも志を失わずに頑張って欲しい。翻って冷静に考えると「自分は大丈夫か?」とも思えなくもないが、流されずにとにかく自分の道を行くしかない。講演の詳細についてはまたYLのブログでアップされる予定。

最後に、応援の思いを込めて世界の名スピーチ本に寄せ書きを添えて贈らせてもらった。その中の多くの舞台であるワシントンDCで過ごした仲間として、熱い思いをお互い精一杯広めて行きたいと思う。(そのためにも早くアウトプット主体へ切り替えていかねば、と焦る毎日。。)

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2005年10月16日 (日)

講義(地方との役割配分、安保政策決定など)

金曜はまた遠征して講義。

今回は両授業ともアメリカを中心として、経済と安保で分野はやや異なるが政策決定の仕組み等について話した。特に経済の授業では、三権分立の全体の仕組みを把握しながら日本をはじめとした他国について比較を強調。さらに、中央と地方の役割についても軽く触れた。実はこの辺はこれまで自分もしっかり勉強したことがなく、せっせと予習しながら何とか学生に説明。やはり1テーマで通年の授業ともなるとかなり広い分野までカバーしていく必要が出てくるので、自分の知識を広げる上でも勉強になる。それ以外にも学生から色々聞かれたりするので、油断はできない。今回は日本の道州制について相談された。次回はお金の流れについても触れていきたいと思う。

federalist (アメリカの建国時代、連邦政府と地方の役割の指針をまとめたもの。)

安保の講義では、アメリカの安保体制について今回は主にハード面について説明。軍備や予算、世界に広がる本部やその役割などを資料を用いながら講義。とにかくその圧倒的な軍事力と世界中に展開している様子を伝えた。その後、残った時間で現政権の主要アクターを挙げながら政権内での個々の役割に触れる。あらかじめForeign Policy誌の論文を配布して(Inside the Committee that Runs the World)、分担しながら説明してもらおうと思ったのだがやや難しかったよう。自分もそうだが、できたら更にThe CommandersとかBush at War Rise of Vulcansとか個別の出来事の意志決定における内部の動きがわかるものも読み進めていきたい(そういえばキューバ危機の13daysは映画にもなっていた)。どこまで真実が分からんが、内部の会話まで再現することによってかなりの臨場感があり、勉強というよりは小説代わりにも楽しめると思う。次回はもう少し政策や全体戦略の変遷について説明する予定。

夏休みも終わり、抱えていたもの全てが回りだすとさすがに時間の制約が出てくる。ここで体力まで衰えると回らなくなるので、気分転換も兼ねて鍛え始めた。余った分は海で生かしたいが、いつになるやら。と思ってたら高校の同期に呼び出されて夜中まで飲み+荷物かついで2時間歩いて帰宅、と体力も十分消費されたのだった。

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2005年10月 7日 (金)

講義(政策決定、比較政治など)

今日も大学で講義の日。経済、安保ともにこれまでとは趣向を変えながら講義

まず経済の授業では、経済政策決定が産み出される政治構造についてきっちり説明。三権分立の歴史的な経緯から始まって、現在の予算策定プロセスまで包括した。アメリカの大統領制とかイギリス、日本の議院内閣制とかは基本中の基本だと思っていたが、「始めて聞いた」という声もあり新鮮に聞いてもらったようである。特に、代議士の選ばれ方や党議拘束といった面で、日米の違いを理解してもらった。日本に焦点を絞るのであれば、もう少しイギリスの政治についても細かく議論したかったのだが(実は自分の知識がさびついていたりする)

講義の最後には、説明の前に挙げておいたポイントについて自分の考えを書いてもらった。わずか10分ぐらいしか与えられなかったのが、しっかりした問題意識を持っていて見直してしまった。またコメントを見ていくと、「説明に補足が必要だな」と思う点も出てきて、非常にためになる。今回は特に、アメリカの大統領の権限に関してやや過剰な印象を与えてしまったようで、牽制役としての議会の役割を一応制度上でももう少し説明しようと思う。

安保の講義では、人数も減ってきた所を見計らって、机の配置を四角形にして全員が顔を見合わせる形に。やはり壇上で上から話すよりは、対等なコミュニケーションができるだろうという思惑もある。そこから一気にグループ分けをして、来月やることになったディベートのテーマ設定。安保系も含めて20近くのテーマを挙げてもらい、そこから多数決で決定。中には「○○党は政権を取れるか」というものも。で、結局皆が決めたものは「中国の政治体制は続くか」と「首相の靖国参拝の是非」となった。どっちも安保というより政治だが、とにかく自分で調べて論理を組み立てて議論するという事を学んでもらえればと思う。

講義後、授業や学校の方針に関することで上の方と相談。自分が新参という事もあり、苦言も含めてストレートに言わせてもらったが、「ありがとう。ありがとう。」と、理解して頂いたのは本当に有難かった。期待したとおり、上がしっかりしているのでまだまだこの学校は大丈夫だと安心した。自分も責任持って頑張っていきたい。

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2005年10月 5日 (水)

新しく懐かしい道

いよいよ昨日から新しい環境での毎日が始まった。

まずは、既に馴染みの教官と近々の方針を検討し、山ほどの資料をお借りする。これから原油生産データの取得、検証の作業に取り組まなければならないのだが、まずその前に生産プロセス全体を理解する所から始めなければならない。ここら辺はさすがに技術面の内容が多く、現場を見ないで理解するのはやや苦労しそうである。

午後には留学時代の友人の紹介で地方政治を研究している方と会う。地方政治繋がりということで、なぜか留学時からも日本の地方政治を研究している知人と、ちょうど日本で研究を始めたアメリカ人の元同窓も集まる。やはり皆読んでいる資料なども共通しているようで話も弾むが、日本では当分野でしっかりとした専門家やカリキュラムが無いという点も同意。しかし博士号を二つ取ろうとしている人がいるのは驚いた。

その後軽く食事をして一人研究室に閉じこもる。やがてビル全体から人の気配が無くなると、ふと懐かしい気持ちが浮かんでくる。そういえば2年前、DCのオフィスでしばしば夜中まで篭って勉強していた。マックの1ドルメニューで夕食を済ませ、窓も無い部屋でPCと向かい合っていつの間にかそのまま床で寝る事もざらだった。地味だけど必死だった。あの時がなければ今はないだろう。

知人のブログからアップル社のスティーブ・ジョブ氏のスピーチを発見した。スタンフォード大の今年の卒業式での祝辞らしい。彼は自分にまつわる3つの話を通し、過去と現在との繋がりを挙げる。養子に預けられたこと、アップル社から締め出されたこと、ガンと宣告されたこと、このどの悲劇をも将来の成功への種として乗り越え、肯定できる今を掴んできた。彼は言う。「君たちは、今の時点が何らかの形で将来に繋がっていくと信じなくてはいけない」。そして、「自分の内なる声に耳を傾けろ。実はその声や心、直感は自分が本当になりたいものを既に知っているんだ」、と。最後に彼は、若い頃に印象に残った本からある言葉を持ってくる。そこに挿入された田舎道の写真の下にあった、「Stay Hungry. Stay Foolish.」という言葉を。

さあ、今日も頑張ろう。

4thbuilding

(夜の研究室。担当教官の部屋の灯は深夜まで消えることはなかった。負けずに頑張らねば。)

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