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2005年9月28日 (水)

講演「小泉圧勝後の日米関係」

今日は昔から一緒に活動しているグループの定期的な討論会に出席。今回の題材は「小泉圧勝後の日米関係」という政治および外交系なので、これまでに引き続き司会をさせて頂いた。

YL092701

メインスピーカーは渡部恒雄さん、コメンテーターに牧原秀樹さんと山本朋広さんという豪華メンバーでの議論となった。つい数年前にはワシントンDCで皆学生や研究者として気軽に飲んだりしていたのですが、今や皆さん日本を代表する政策決定者となろうとしている。

YL092702 (牧原さん。バッジが眩しい)

YL092703 (山本君。ラフな感じが昔と変わらない。)

内容は、渡部(ナベ)さんから選挙の総括と日米関係について発表を頂き、議員の二人からは主に選挙についてコメントを頂いた。ナベさんの発表では与野党両者の視点でいくつか考えさせられる点があった。例えば、

●今回の民主党の戦略ミスは、1996年の新進党が消費税を巡る選挙で勝てなかった教訓を学んでいない(焦点が分散してしまった)。

●どんなに良い政策もトップに届いて理解されなければ実行には結びつかない。その点で小泉首相は聞く耳があるようには思えず。

●沖縄の米軍基地移転問題についても、これまで待たされ続けた米国側はFrustrationたまりまくり。今回は与党が勝ったから良かったが、そうでなければどうなっていたか。

●小泉首相の従来の党内プロセスに縛られない方針は良い。本来は党内でのチェックではなく国会における野党のチェックにさらされるべき。その点野党が減ったのは心配。

●今後の改革として農協の金融機関をどうするかが難しい。

●外交ではイラクの出口戦略を考える必要がある。

●安保面でも首都機能移転の問題は議論する必要あるが、全くおろそかになっている。

●今回の政策ではセーフティネットという話はほとんどなかった。前原さんが党首になってようやくその用語が出てきたぐらい。

●民主のマニフェストで良かったのは、役所に政権党の政策をしっかりサポートさせるようにしようというシステム案。その点では小泉さんのやり方も評価できる。

●政治家が若返るのは良い事だが、韓国の例(若い政治家が増えて反日的な思考になった)にもあるように不安定さもあることを認識すべき。

●選挙では選挙区毎のディベートをTV中継を活用するなどして広めるべし。その点で公職選挙法の改正必要だろう。またインターネットの活用や個別訪問なども結局は必要では。

●今回の結果を踏まえ、米国のネオコン派は日本の「憲法改正」は規定事実だと思っているだろう。しかし実際はまだ時間がかかるのでは。

また、他の二人からは今回の選挙を戦った感想として以下のようなコメントをもらった。

●自民に投票すれば最低でも「郵政民営化」はやってくれるという信頼があるのに対し、民主には不信感が根強かったのでは。

●雑誌等とは反対にTV中継で結構自民が好意的に取り上げられて、観ている時間が長い人ほど自民に投票したというデータもあるとのこと。

●結局は公約の遂行、実行力といった点で、民主よりは説得力に勝っていた。

今回は外交の話がそれほどカバーできなかったのが残念だが、今後このような素晴らしいメンバーの中で意見交換を続けていきたいと思う。ちなみに納得してしまったのは、「一年生議員は政策どころじゃない」という率直な意見だった。うーむ。

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受信: 2005年9月28日 (水) 01時05分

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