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2005年9月24日 (土)

北東アジア石油フォーラム

連休を伊豆で過ごした後、ソウルに飛んで「北東アジア石油フォーラム」に出席。日中韓で2年に一回開かれる会議で今年は北京、東京に次いで第三回目。

Oilforum0921

二日間で6つのセッション、総勢25名からの発表があった。

出席者はエネルギー会社や研究所といった民間の役員クラスが中心で、全体で250-300人近い大きな会議だった。中国の国営会社であるSINOPECCNOOCからも発表があったのは大変貴重。ちなみに平均年齢はおそらく50以上で男女比は95:5ぐらい、ノーネクタイ&上着は自分とメディア関係者だけだった。。

内容については現在の北東アジアのエネルギー需給関係や、各国および各社の戦略といった全般的な話が多かった。その中で、会議の目的でもある三カ国の協力体制の話も出るのだが、政府関係者もいないせいかやや具体性に欠けていた。それでも特に中国や韓国の国内事情や地域として抱える問題点について新たな認識を得ることができ、大変有意義な経験だったと思う。

例えば、参加者の多くが懸念していた事項に「アジア・プレミアム」というアジア向けに特に高く設定された原油価格があるのだが、その構造的問題や対策は非常に示唆に富むものだった。通常、原油はマーケットで需給によって価格が設定されるのだが、その契約を決定する際に、他に供給源が少なく中東への依存度が高いアジア諸国はどうしても足元を見られて高い価格が設定されてしまう。これまでの認識では、原油の流動性の高さから特定の相手にだけ価格を別に設定されることは無いと思っていたのだが、発表者によると、中東の生産者によって制限的な市場メカニズムが存在するとのことだった。それは、供給先を限定することや、第三者取引の制限によって、誰でも同じ条件で原油を購入できるのではないとの事らしい。この辺は今後の調査対象にしていこうと思う。

そして、「アジア・プレミアム」の対策としてもアジアとして供給源を多様化していかねばならないとの意見が相次いでいた。それはもちろん地域としてBargaining powerを高める事に繋がるし、供給者側の意識を変化させることにも役に立つ。で、どうするかというと、備蓄体制の強化、代替エネルギー開発や原子力等の三カ国協力、地域市場設置といった施策と合わせて、ロシアからの原油や天然ガスのアジアへの供給を強化させることが強く主張された。それにはパイプラインをはじめとする北東アジアのインフラ整備が重要であり、チェチェンの例のような地域の平和にも繋がるだろう。そのためには今後是非このフォーラムにロシアの参加が不可欠になってくる。また技術や資本面でいうとアメリカも必要か。そうなると、以前に大学院の師であるFrancis Fukuyamaが唱えていたように、現在は北朝鮮の核問題が協議されている6カ国協議の発展が現実的となるだろう。これは現在の核兵器問題と同等の非常に重要な安全保障課題で、そこでも日本が他国に圧倒されて国益を失うのではと非常に心配している。

以下は関連ニュース

韓日中で石油危機に対処、石油フォーラムをソウルで開催

聯合ニュース 2005/09/20 18:33

【ソウル20日聯合】原油高が続く中、北東アジアのエネルギー消費・輸入大国の韓国、日本、中国が、エネルギー危機への共同対応について協議する。

 産業資源部は20日、2005年北東アジア石油フォーラムが「北東アジアの石油産業の地域協力増進」とのテーマで21~22日に開かれると明らかにした。全国経済人連合会(全経連)と韓国エネルギー経済研究院が共同開催し産業資源部が後援するフォーラムは、2001年の北京、2003年の東京に続き3回目。GSカルテックスの許東秀(ホ・ドンス)会長、新日本石油の渡文明会長、中国石油化工集団公司(シノペック)の王天普社長らをはじめ、3カ国の石油会社の最高経営責任者(CEO)、石油専門家など250人余りが参加する予定。

 今回のフォーラムで各国の代表らは、原油高が続くことで大きな負担がかかっているとの点で認識をともにし、原油輸入での交渉力強化、備蓄施設の共同利用、原油高に対する長期対応能力の引き上げ、新・再生可能エネルギーの開発、省エネルギーなどについて話し合う計画。

北東アジア石油フォーラム「韓日中の石油共同体市場を作るべき」

聯合ニュース 2005/09/21 15:30

   【ソウル21日聯合】現代オイルバンクの徐泳泰(ソ・ヨンテ)社長は21日、「北東アジアの石油市場は需要の増加が最も大きい市場だが、石油価格の決定からは相対的に疎外されている。韓・日・中が石油の共同体市場を作り価格決定力を拡大すべき」と述べた。ソウルで開かれた2005北東アジア石油フォーラムでテーマ発表したもの。徐社長は、現在の韓国の石油産業は政府規制、石油需要の低迷、競争の激化、環境規制、過剰生産の5つの難関にさしかかっていると指摘した。これを打開するには、高度化施設の増設やBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)生産の増設を行なうと同時に、安定的な原油輸入に向け産油国との協力を拡大し中国市場の開拓拡大に励むべきと強調した。

 新日本石油の渡文明会長はテーマ発表を通じ、北東アジア3カ国の共通話題としてエネルギー安保と二酸化炭素排出量の増加、持続的な経済発展に対する圧迫を挙げた。これらの問題を解決するために3カ国が協力し石油備蓄を高め、環境保護の側面から技術協力を強化し、過剰精製施設を活用するべきと主張した。

 中国石油化工集団公司(シノペック)の王天普総裁は、石油供給の安全を図る3カ国間の対話チャンネルと緊急対応システムの構築が急がれると述べた。

http://times.hankooki.com/lpage/biz/200509/kt2005092119012611900.htm

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