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2005年6月26日 (日)

イラクでの民間警備会社

先日、イラクで拘束された斎藤さんが勤めていた事からも、戦争における民間警備会社の役割が注目されるようになった。

留学時代からお世話になっているPBS(日本だとNHKのようなものか)やCNNのサイトなどで確認していたのだが、想像以上に危険な状況下で働いている。軍隊ほどまともな装備も訓練もブリーフィングも得てないながらも、時にはより危険な警備の前面に立たなければいけない。

story

(写真:http://arabic.cnn.com/

そのインセンティブはやはり「高収入」だという。家族の心配もありながら、「2ヶ月ぐらいイラクに行ってgood moneyを得てくる」と行って出かけて帰らぬ人になった例もある。中には元アメリカ兵としてイラクに来て、民間へと移った人達も多くいるという。収入でいうと、例えばErinysというイギリスの民間警備会社は、米陸軍のエンジニアの警備で年間約5000万ドルもの収入を得ているとのこと。イラクで働くErinys社員の給料も当然高い。ある社員は一日約400ドルぐらいの収入をもらっており、兵士のほぼ二倍に当たるという。中には一日1000ドル稼ぐ人もいる。このような高収入を求めて、米英だけでなく、東南アジアや南アジアからも多く出稼ぎに来ているようである。

彼らの活躍が増える一方で問題も多い。軍隊も民間に外注化しすぎて統率ができず、その統率や全体のブリーフィングをまた外注化してしまうケースもある。また民間社員の犠牲も多い。イラクに潜む敵にとってみれば、アメリカ兵だか民間会社だかの区別も付かず、同様に襲撃されている。しかも民間会社は全てが自社の犠牲者数を発表しているわけではないので、全体像はぼかされている。それで、また引き続き社員の募集を続けている。

イラクの内情は想像以上に悪い。今や「現地でアメリカ兵が襲撃され死亡した」というニュースは毎日なので、余り取り上げられることも無くなってしまっているが。特にファルージャの空港までの道路は現地では「死の道」と呼ばれているように、ここ数ヶ月でもわずか10マイル程の区間で約150回の襲撃が行われているという。その襲撃の中に民間社員も含まれている。ソマリアの時ほど世論に影響は無かったようだが、イラクにおいては民間社員が襲撃され、焼かれ、引きずられ、吊り上げられている。そしてその報復としてアメリカ軍が中心となり、イラク反抗部隊のアジトを思われる場所を総攻撃している。

somalia (ソマリアで引かれる米兵 写真:Paul Watson/AP)

highriskp (イラク・ファルージャで吊り上げられる民間会社の犠牲者           写真:www.pbs.org)

イラクから撤退したがっているアメリカ軍が実際に撤退し始めれば、更にこれら民間警備会社の役割も犠牲も増えてくると思われる。軍隊の行動や犠牲であれば世論は政府に訴えることができるが、民間の場合、あくまでビジネスに伴う自己責任ということで世間の注目も浴びず政府からも利用され続けるのだろうか。

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